平成29年度 正倉院展短歌・俳句コンクール

 正倉院展を鑑賞した感想や、宝物への思いなどを詠む平成29年度の「正倉院展短歌・俳句コンクール」(主催・奈良国立博物館、読売新聞社、読売テレビ、協力・宮内庁正倉院事務所、協賛・セキ)は、審査の結果、39人の入賞者が決定しました。6回目を迎える短歌部門には1,103人から計1,781首の応募が、2回目の俳句部門には1,587人から計2,533句の応募がありました。入賞者と作品を紹介します。


短歌部門

【ジュニアの部】

(小学生~高校生)

▽最優秀賞

水野結雅さん(名古屋市立滝川小学校4年)

「るりのはい入道雲をすいこみぬ サイダーのあわ広がってゆく」

▽奈良国立博物館賞

茨木隆之介さん(奈良・帝塚山小学校2年)

「雨の中ママと出かけたかんしょう会 知らないことを知りたくなった」

▽読売新聞社賞

平河万依さん(兵庫・関西学院初等部6年)

「本閉じて中からのぞくはびわ形の (こん)(じき)のしおり日々を奏でる」

▽読売テレビ賞

西村こころさん(京都教育大学附属桃山中学校3年)

「曲線が織りなす緑の(くさ)(はら)に 息をひそめる(ちょう)(はい)()()

▽セキ賞

東諒太郎さん(奈良学園小学校5年)

「カルラ面口をとがらせ見てる君 僕も同じと気づいて照れる」

▽審査員特別賞

嶋村和子さん(京都教育大学附属京都小中学校5年)

「瞳に似きらりと光る(すい)(しょう)の (たま)に映るはわたしの(まなこ)


横道(ひかる)さん(山口県光市立光井小学校1年)

「おもいきり首をのばしてほうおうは ほうおうだからゆるされている」

▽優秀賞

曾我(りん)さん(大阪市立聖賢小学校5年)

「近づいてはなれてみては近づいて 大人のまねしてにらめっこする」


鈴木()()さん(福島県会津若松市立第三中学校2年)

「ドローンもグーグルもない()(とせ)(まえ) ()(かん)で見える先人の地図」


竹本理央さん(奈良市立西大寺北小学校4年)

「昔の子ろうけつぞめにかくされた 小じか見つけて喜んだかな」

【一般の部】

▽最優秀賞

安藤久美さん(大阪府大東市)

「くるくると楽しげに角巻きながら あなたの横の羊になろう」

▽奈良国立博物館賞

永井浩美さん(大阪府泉南市)

「負うた()と二度目の今日は手を引かれ 並んでのぞくうれしい時間」

▽読売新聞社賞

石田精一郎さん(千葉県白井市)

()()(せき)の一行づつが人に見ゆ 一人一行生きてた証」

▽読売テレビ賞

髙本智宏さん(北海道小樽市)

「野に遊ぶ兎の君へメールして 『圏外です』に『(ちやう)(はい)』を見む」

▽セキ賞

髙津優里さん(愛知県尾張旭市)

「さっきまで八百屋の隅に在ったような Flower basketがちんざしている」

▽審査員特別賞

松森重博さん(奈良市)

()()(かみ)に書かれし戸籍葛飾の 柴又と言ふ寅さん思ふ」


後藤のはらさん(茨城県つくば市)

「ピペットでシャーレに移す細胞の ように見守る正倉院展」

▽優秀賞

森山日和さん(福井市)

「『うさぎはどこ?』泡を閉じ()め緑坏は くつくつ笑う(きみのめのまえ)」


金子歩美さん(群馬県東吾妻町)

「杯を大きく描いた絵手紙を 見た日に送る旅館の夕べ」


八田良子さん(宮崎市)

「大陸に羊なるもの居るらしと 古代の人は胸ときめくや」

俳句部門

【ジュニアの部】

(小学生~高校生)

▽最優秀賞

渋谷達弥さん(大阪・上宮中学校1年)

「秋晴れの肩車して正倉院」

▽奈良国立博物館賞

荒川未来さん(京都教育大学附属桃山中学校3年)

「二頭の龍(おも)い重ねて(しゅう)(てん)へ」

▽読売新聞社賞

鈴木(ここ)()さん(福島県会津若松市立第三中学校1年)

「くごのそう鯨のあくびポランポロン」

▽読売テレビ賞

小西優莉奈さん(兵庫・関西学院初等部5年)

「露草のドレスをまとう緑瑠璃」

▽セキ賞

曾我(りん)さん(大阪市立聖賢小学校5年)

「秋色の服とあわせん(はん)(さいの)(ごう)()

▽審査員特別賞

嶋村尚子さん(京都市立堀川高等学校2年)

「野分きて(こほ)るる()()もかき鳴らす」


藤涛英介さん(神戸市立糀台小学校4年)

()(がく)(めん)笑いが止まらず冬休み」

▽優秀賞

北岡大輝さん(京都教育大学附属桃山中学校3年)

「いつの世も月を瞳に映す龍」


小松()()さん(大阪明星学園明星高等学校2年)

(らふ)(けち)の猿を捜せと目が踊る」


平岡香乃さん(奈良市立登美ヶ丘小学校4年)

「柿を手に正倉院展ひとめぐり」

【一般の部】

▽最優秀賞

箕浦甫佐子さん(名古屋市西区)

「天平の花野は遠し腰飾り」

▽奈良国立博物館賞

朽名一夫さん(さいたま市北区)

「伎楽面付け遊びたや月明かり」

▽読売新聞社賞

瀬戸順治さん(大阪府茨木市)

「小鳥来てをり迦楼羅(かるら)見んと来てをり」

▽読売テレビ賞

満保千里さん(富山県高岡市)

「いにしえの箜篌(くご)より秋の水の音」

▽セキ賞

岩田勇さん(名古屋市千種区)

「遠き世の(ぎょく)の尺八秋の声」

▽審査員特別賞

鈴木歌織さん(愛知県豊川市)

「盗もうか正倉院を良夜ごと」


野井さくらさん(京都府宇治市)

(すい)(びょう)や首長くして咳ひとつ」

▽優秀賞

中村文敏さん(奈良県香芝市)

「坏みどりならば大和は柿盛らむ」


宮田(まさ)(たか)さん(東京都世田谷区)

「千年の(のみ)(あと)さやか伎楽面」


辻ひろ子さん(奈良市)

「長き夜やルパンに依頼瑠璃の杯」

審査員

上野誠氏(奈良大学教授)=短歌のみ
永田紅氏(歌人)=短歌のみ
坪内稔典氏(俳人、佛教大学名誉教授)=俳句のみ
長谷川櫂氏(俳人)=俳句のみ
西川明彦氏(宮内庁正倉院事務所長)
松本伸之・奈良国立博物館長 ほか

お問い合わせ

読売新聞大阪本社 文化事業部
電話:06-7732-0063(平日午前10時~午後5時)

主催

奈良国立博物館、読売新聞社、読売テレビ

協力

宮内庁正倉院事務所

協賛

セキ